200人の枠に、手配違いで募集全員に当選通知が送られてしまった ツールドフランスさいたまクリテリウム2017 一般体験走行。
当選ではなかった461人の方々に
当初は「前日に皆で同じコースを走りませんか?」とお誘いをするつもりでした。
ただ、当選ではなかった人たちの声が聞こえてくると、当日に雰囲気の中で一周を走りたい。 が多く。それは当然のことです。
どうにか救済したい。そんな思いを心の底から沸立つ思いでいるのは自らの経験があるからです。
ツール元年から一般体験走行の先導要員として登場しています。
初年度、筆者は役員としては選ばれていませんでした。
「 俺を選ぶなら、オーバルに権利を譲るよ 」
こう言って自ら辞退したのは、AMBCO初代鷲津部長です。
そこには、外部からでは解らないクラブ内での動きを汲んでのことでした。
当日、雨。
当時選ばれていた、通称:シャア氏、鬼軍曹氏、Okkei氏、と現地へ入り、雨が強くなる中、合羽を着て一生懸命走ってきた参加者を受付前で 初代部長と筆者で迎えていましたが、
当選者が数が集まりません。
「 参加人数が少ないんだ。このままだと1グループ無くなるよ。オーバルさんのグループ 」
元々無かった権利を譲られ現地に入り、あと45分もすれば着込んだ合羽を脱いでトレードマークのジャージで先導出来るところまで来ていて、衝撃的な通達に愕然としました。
仲間内からは「オーバルさんが走れないなら私が降りる!」と騒ぎ出し・・・・。
「いいから! 自分の担当を確り」「いいから!」と理解させた記憶があります。
内心、どんな顔をしていればいいのか、今がどんな風に見えているのか、合羽の帽子を目深に被り直し、会場外で何事も無かった振りで、参加者が来るのを待っていました。
雨が大粒になり、バタバタと全身に当たり、歯を食い縛る時間は長くはなかったと思います。
その裏では、ポタガールの面々が呼ばれていて、大渋滞の中 会場に向かっていました。
「 彼女たちを先導して欲しい。間に合うと思う。 」
状況は解らないですが、再び筆者に コースイン の権利が発生しました。
この時、自分より喜んだのは周りの仲間たちです。
そして、ギリギリの時間になり
「 ご理解ください。一般体験走行は中止です。 どうぞご理解ください。」
黒塗りの車で担当が駆けつけ、そう伝えます。
「 出来るよ! 走れるよ!! 大丈夫だよ!! 」
SCA 渡邊理事が食い下がりました。
車検場からも、声が上がります。 会場の空気が一気に暗いものになりました。
これ以上 どうしようもないことですが、判断はもう裏返ることは絶対にありません。
時間は無くなりました。
落胆する子供を宥めながら帰っていくお父さん、走りたくても走れないことを受け入れられない子供達、雨は弱くなってきたとは言え、悲しい残念な気持ちに酷い仕打ちとして当たります。
あの会場で、自分が置かれた状況も含め目にしたもの。 特に小さい自転車を押して帰る子供の悔しい悲しい後姿を今も忘れません。
今回 何かの手違いで661名の応募全員に当選通知が送られました。
それに気が付き、内外を含む担当全員でありとあらゆる事を考えた上で、当選ではなかった方々に誤配信のお詫びのメールが数日後に送られたのですが、これまで体験走行を先導してきた現場を踏んでる筆者からすれば、「どうにかなる」 のではないか?とSNS仲間と担当部署へ相談と応援に足を運びプランを持込みました。
神対応、市の底力、市のハートを、SNSで訴える人がいますが、現場が求めているのは、そんな事はありません。散々考え、661人全員を走らせることは出来ないと判断したけど、まだ 苦しみ もがき 全員を走らせてあげたいと心の底から思っています。
筆者が仲間と一緒に個人の立場で動きだしたのは 誤配信メールが配布された当日からです。
「サイクリングリーダーはサイクリングの場面で、または、それ以外の場面でも、時には自己を犠牲にしてでも他の者を助ける義務があり、それを遂行出来る者こそサイクリングリーダーとして相応しい、資格がある。」
サイクリングリーダーの講習会でSCA渡邊理事より、このように教わっています。
こちらから提出したプランや持ち込んだ当日のお話し合いの中の言葉が、何かひとつでも打開策のヒントとなれば良いことですし、動かせない最初のプランが動かせるかも知れません。
救援しなければならない人数は応募した方々 プラス 内外担当の方々 プラス 関係の方々等、どれだけの人数になるのでしょうか?
主催の考えに合わせたプランを生み出すのは容易ではありませんが、みんなが笑顔でいられる大会にしなければならない、みんなが笑顔でいられなければ、筆者も先導のみんなも心から笑顔になれい。
判断が下される時まで、残り時間は少ないでしょう。
いや、もう結論は最初に出ていて変わらないのかも知れません。
そうだったとしても、最後まで諦めないのがサイクリングリーダーなのかも知れません。
それから、一週間、雨続きの天候が久しぶりに回復し、青空がまぶしい金曜日。
朝からSNSでの仲間が、「いい天気です。」とつぶやきました。
「いいことがありますよ。」
親しくする方からも、「いいことがあるよ。きっと」とメッセージが入った昼前。
携帯に入った 通称:オヤジさんの声 「 走ることに決まったよ! 」
・・・・ そっか・・・・ やってくれました。ありがとう さいたま市。・・・・
本家ホームページが発信する前に、「 走れるよ! おめでとう! 」SNSで発信します。
条件付き、前日車検、メインスタンドを通らない2km、です。
悔しいですが、これが安全を第一に考え出された精一杯の対応だったのです。
クラブ仲間にお願いをして、また、朝練に来て一緒に走っている方に声をかけ、先導の増員です。理事長から声が掛ったのは31日最終の会議後です。
カンフーママ、謎の管理人T氏、と三人で、また、私たちが知らないところでも同じ動きがあったのだと思いますが、その小さな力が沢山集まって大きな力になった。誰一人として他を向かない同じ方向に進んだ結果なのだと思います。
完ぺきではありませんが、救援着手をして、この日を迎えることが出来てよかったです。
メインはレース、主役は一般の参加者。
誰が何と言おうと、この姿勢は崩すことはありません。
11月4日 11:15から
主役たちの登場とそれをサポートする方々に大きな拍手を送って欲しいと思います。
クリテリウム初年度の大会後のアフターミーティング
最初のご挨拶に市長が登場しました。
ご挨拶の後半「子供達の未来のために・・・」 ここまで来て市長は先へ話を進めること出来ませんでした。 会場の全員が、市長の伝えたいことを解っています。
「本当に出来ないのか? 走らせてあげられないのか?」 と一番気にしていたのも市長なのだそうです。
関係の方々、ありがとうございました。ご苦労様でした。
全員が笑顔でした。
:::: オーバル
0コメント